福井新聞より
福井県は、エイズウイルス(HIV)感染の早期発見・治療、感染拡大抑制のため、本年度から「迅速検査」に取り組む。
これまでの通常検査に比べ、陰性の場合は、その日のうちに結果が分かるのが特徴。感染の心当たりがある日から3カ月過ぎた人を対象とする。
ただ、陰性でも陽性と判定される「偽陽性」の場合は、確認検査の結果を後日聞きにいく必要がある。
迅速検査を行うのは福井(福井市西木田2丁目)、二州(敦賀市開町)の両健康福祉センター。センター医師が検査必要と認めた人に限り無料。事前の電話予約が必要。
検査日は、福井センターは第2月曜日午前9時―同10時半、二州センターは第4月曜日午前9時―同10時半。予約、問い合わせは福井センター保健指導課=電話0776(36)6810、二州センター健康増進課=電話0770(22)3747。
日本イーライリリーは、今年中にも開業医市場に参入し、営業を始める見通しとなった。参入のきっかけとなったED(勃起不全)治療薬のタダラフィル(海外名「シアリス」)の今年後半の発売が見込まれるため。同社は、中途採用に加え41人の新卒MRを採用し、昨年から100人増のMR900人体制を確立。どの程度を開業医向けに振り分けるかは明かしていないが、今後も新規糖尿病治療薬など新製品の投入に合わせて、配置を増やす方針だ。
開業医市場参入は、売上高約821億円の同社が2010年度に売上高1200億円、15年度2400億円を目指す中長期戦略の一環。
19日、都内で開かれた同社の業績説明会で、ニュートン・F・クレンショー社長は「特に今年後半の上市を計画しているタダラフィルをサポートする形で、開業医市場には選択的に参入したい」と、当面はタダラフィルに絞って開業医市場に参入することを表明した。
タダラフィルは、ED治療薬としては3番目。気になる他剤との差別化、マーケティング戦略は「現時点で開示することはできない」としつつも、「非常に重要な薬剤であり、日本での戦略は積極に進めたい」と意欲的な姿勢を示している。
さらに900人体制となるMRも「そのうち開業医市場にどのように割り当てるか、どう戦略展開するかは申し上げられない」としたが、「新製品の上市、競合状態を見て採用し、シェアオブボイスを高めていくために拡充は検討していくべきと考えている」と、開業医市場には相応の体制で攻勢に出ることをうかがわせた。
開業医市場でのタダラフィル以外の営業展開候補には、現在開発中の糖尿病治療薬や骨粗鬆症治療薬が考えられるが、領域が広がり、力が分散されるおそれもあることから、当面はタダラフィルを集中的に営業展開し、体制を整えていく意向だ。
なお、同社の2006年度業績は、売上高は、非定型抗精神病薬「ジプレキサ」や抗癌剤「ジェムザール」などの主力品の伸びが寄与して、7%増の821億円となった。
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関東地方の30歳代の女性は3年前、外陰部に水ぶくれができ、焼けるような痛みに襲われた。慈恵医大青戸病院(東京都葛飾区)で、性感染症の一つ、性器ヘルペスと診断された。抗ウイルス薬を飲み、症状は2週間後におさまった。しかし、その後、月に2、3回は再発を繰り返し、そのたびに薬で治療した。一昨年夏、薬を毎日服用して再発を抑える「性器ヘルペス再発抑制療法」の臨床試験に参加。その後、再発は1年に1回ほどで、症状も軽くなった。(坂上博)
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる性感染症。母子感染することもある。1年間に治療を受ける患者数は7万8000人で、女性が男性の2倍多い。
女性は外陰部、男性は陰茎、両者で肛門(こうもん)周辺に直径2ミリほどの水ぶくれや、それらが破れて融合した潰瘍(かいよう)ができ、痛みも伴う。
抗ウイルス薬の服用により、1、2週間で症状は消えるが、ウイルスは消滅せずに骨盤内などの神経節に潜伏。ストレスや風邪で免疫状態が下がった時や、女性なら排卵後や性行為で外陰部に摩擦を受けた時に、潜伏していたウイルスが増殖して再発する。
一般的に、感染後初めての発病時は痛みが激しく、発熱を伴うこともあるが、再発時は発熱することは少なく、比較的症状が軽い。
この再発が、患者を非常に苦しめる。慈恵医大青戸病院皮膚科教授の本田まりこさんによると、いつ発病するか分からず、外出するのが怖くなったり、パートナーにうつしてしまうのではないかと恐れたりと、一生、重荷に感じ、結婚できずにいる患者もいるという。
これまでは発病するごとに抗ウイルス薬を服用しなくてはならなかったが、昨年9月、再発を抑制する治療法が保険で認められた。既に世界50か国以上で行われていた標準的な治療だ。
症状がなくても抗ウイルス薬・バルトレックス(一般名・塩酸バラシクロビル)500ミリ・グラム錠1錠の服用を毎日続ける。抗ウイルス薬は単純ヘルペスウイルスの増殖を抑える。
この治療を受けると、再発までの間隔が、薬効のない偽薬群で約1か月に1度なのに比べ、203日に1度と頻度が減った。再発しても、痛みなどの症状は軽く、症状が現れる期間も半減して1~4日で治るという。
性器から排出されるウイルス量も減少するので、パートナーに感染させる危険性は低くなる。ただし、感染率はゼロになるわけではない。この治療は保険で認められているので、全国の医療機関の皮膚科、産婦人科、泌尿器科などで受けられる。
本田さんは「この病気にかかっても、不妊になることはないので、あまり深刻に考えないで。できれば、パートナーと一緒に治療を受けてほしい」と話している。
エイズ対策の重点自治体に選ばれた全国の10都府県と6政令指定都市のうち、エイズ対策計画を策定できている自治体は3割に満たないことが中日新聞の調べで分かった。国内で昨年新たに報告されたエイズウイルス(HIV)感染者・エイズ患者報告数は過去最多を更新(速報値)し、地域ごとのエイズ対策の中心的役割を果たす自治体の姿勢も問われている。地域計画を練る協議会が“休眠状態”に陥っている自治体もあり、取り組みが停滞している実態が浮かんだ。
昨年3月に改正されたエイズ予防指針は、国と自治体が連携してエイズ対策に重点的、計画的に取り組むよう求めた。これを受け、厚生労働省は感染者・患者の報告数が全国平均を上回る自治体を重点自治体として選定、エイズ対策を支援している。
先月末までに電話で聞き取り調査した結果、独自にエイズ対策計画を策定したのは東京都、長野県、沖縄県、川崎市のわずか4自治体。計画は普及啓発や相談検査、医療体制など課題別に整理されており、全国の感染者・患者報告数で約35%を占める東京都は、エイズ関連事業を毎年度実施計画にまとめ、ホームページで公開している。
他の自治体は「既存の対策がありエイズ対策に特化した計画は考えていない」(神奈川県)「必要性は認識しているが計画の議論はない」(名古屋市)などとして策定していなかった。今後の策定についても消極的な自治体が多かった。
エイズ対策推進協議会については、山梨県では設置されておらず、さいたま市は3月から設置。愛知県、千葉県と千葉市は設置後休止している。愛知県は1997年度、千葉市は2001年度を最後に開催していないという。愛知県は「過去開催された協議会で対策の方向性は示されており、毎年開く必要はない」(健康対策課)としている。
年約3回開催している川崎市は「関係者の認識を共有できる」と、メリットを強調する。
■エイズ対策の重点自治体 2002年から3年間の新規感染者・患者合計報告数をもとに、厚労省が昨年、人口10万人に対する割合が全国平均を上回る計16自治体を選定。2年間発生動向を重点的に監視し、相談・検査、医療提供体制の整備や普及啓発などのエイズ対策を支援する。昨年新たに報告されたHIV感染者は914人、エイズ患者は390人でそれぞれ過去最多(速報値)。05年の感染者報告数のうち、重点自治体が約75%を占めている。
【関連リンク】
http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20070318/mng_____sei_____000.shtml